問題は制限であると同時に機会でもある

問題は、制限であると同時に機会でもある

約4年半勤めた会社に続く駅を、
とあるプロジェクトで通りかかりました。
元会社のあった方向に、
反射的に体が向かいかけてしまいました。

私はこの鉛色の薄暗いプラットフォームが当時から苦手で苦手で、
その上、乗る電車はどれも使い古されていて、
「私は一体、何歳までこの駅を通うんだろう」、
といつも思っていました。

結局、電車通勤の方が車通勤より時間がかかることもあって、電車で通ったのは約1年間。
その後は自動車通勤に切り替え、80キロの道を毎日往復2時間以上かけて通いました。
渋滞がひどい時は3時間~。
お陰でそれ以来、1時間以上の車の運転は苦手になりましたが、
今では懐かしい思い出です。

ちなみに、この駅から外に出ると開放的な広場と新凱旋門があり、
周りには高層ビルが立ち並んでいます。
日本でいう東京・丸の内に該当するような、外資・金融・大企業の多いオフィス街です。

Paris-La-defense-Arc-de-triomphe

今から約15年前。
会社の採用面接は確か2回あって、
1回目は社長と面接、
2回目は社長とマーケティングディレクターとの3者面接でした。
採用面接ではマーケティングディレクターにコテンパンにやられまして、
「フランスと日本のマーケティングの違いは?」
とせっかくど真ん中の質問をされましたが、
当時まだ、フランスでのマーケティング経験がなかった私は、
聞かれた質問に対する答えに確信がなかったので
「わかりません。」と共に、
自分なりの考えを伝えるのに精いっぱいでした。
なにかを伝えたような気がしますが、
もしかすると「わかりません。」としか言わなかったような気も今となってはします 笑。
それでもなぜか社長は、マーケティングディレクターに私を推していたように見えました。

「有名な会社で働けば、履歴書に残せて、後々有利だよ」
と、面接後、その会社の人からも、周りからも言われたのですが、
やっぱりなんか違う気がして、
リクルーティング会社を通じて辞退の意を伝えたのでしたが、
「ごめんなさい。説得しきれず、どうしてももう1回面接に来てほしいそうです。」
と3回目の面接にも行きました。

「お互いにいい感じで面接が進んでいると思ったのに、
辞退すると聞いて驚きました。」
と会社から言われ、
それ以外の事を何を話したのか覚えていませんが、
とにかく説得されたのだけを覚えています。
「会社をよく知る人がそんなに引き留めてくれるなら、
何か必要とされる理由でもあるのだろう」
とも感じました。

社長がマーケティングディレクターに私を推した主な理由が後になって徐々にわかりましたが、
私はとにかくいつかフランスでマーケティングの仕事がしたいと思っていたので、
マーケティング部に少しでも関わりがある仕事はとりあえず全部引き受け、
マーケティングの主業務とは全然関係ない仕事もできる限りのことをしました。
なんのかっこいいこともない、
マーケティング部の予算の、事前事後書類管理です 笑。
社長の秘書業務とアシスタント業務、それから当時は会社のグループアシスタント業務もあって、
掛け持ちでもこなせるように、
それから他部署も関わるので誰が見ても分かりやすい状態で管理できるように、
エクセルなんか駆使して業務を自動化し、
とにかく無駄な時間は一切掛からないよう、
全てが効率的に回るようにしていました。
クレームが来ることだけは絶対に嫌だったので、完璧に管理しました。
完璧にしすぎて、クレームを出したのは私の方でした。
「すべてが滞っていて事前処理のものも事後処理になっている。
この仕事をする意味はどこにあるんだ」と 笑。

マーケティング業務に関われるようになったのは、入社後3年目でした。
予算を大きくかけられないけれど、
会社の目指す方向上、外すのことのできない、
やや特殊な商品のプロモーション。
「やってみる?」と、
いつもお世話になっている、
他国の役員の方から提案されたのがきっかけでした。

「やってみたいです!」
と言うのはとても怖かったです。
うまく行くか分からないし、
うまく行かなかったらその方に迷惑がかかるし。

でも、他の商品もそうですが、
その商品はよく考えられた、
開発者の想いの詰まった商品で、私も大好きな商品でした。
売りたいというよりも、
魅力をたくさんの人に伝えたいという気持ちでした。

結局、色々な方々の手助けと、
マーケティングチームのプッシュのお陰で、
欧州一、うまく行きました☺

予算を他商品ほど掛けられないという問題は、
ある面で制限であり、
ある面で機会でした。
ジレンマに陥って(陥っていたように私には見えました)、
フランスでマーケティング経験のない私に
その仕事を頼んでくださった役員の方の当時のご決断は、
流石としか申しようがありません 笑。

結構大変だったけれども、
一緒に働いていた人たちは優秀な方々ばかりで、
物事を深く考える洞察力のある方が多くて、
退職後も気にかけてもらえていることはとてもありがたく、
あの経験をさせてもらえたお陰で今があります。

「興味があることにチャンスが巡ってきたら、
思い切って、飛び込んでみよう」

怖いかもしれないことでもその先の理想を描けていて、
そこに行く過程の中からどれだけ楽しさを見出せるかで、
人生の質が大きく変わります。

あなたに巡ってきた提案、あなたはどう捉えますか?

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