生けた薔薇。
お店に入った時、
体全体に血液が勢いよく巡るような、
秋の寒さを忘れさせてくれそうな色に目を奪われました。
家に帰り、いつもの透明な花瓶を出したものの、
そういえば、
生け花の先生に見てもらって購入した、
まだ使っていない生け花用の花器があったことを思い出しました。
今年の夏、日本に一時帰国した際に、
それ用の剣山も購入していて、
まだ使っていない。
花の長さを見ると、
横に長い楕円の花器に対して
目安の長さが足りないけど、
まあいいか。
短い花を生けるのも、
1種類だけを生けるのも初めて。
穴があいていたり、折れている葉など、
茎とのバランスを見ながら
落としていきます。
特徴的な形の茎ものはないけれど、
それぞれゆるかやに帯びているカーブを
活かすように削いでいく。
茎が短ければ、葉も短く、
茎と葉を一緒にして長さを取り、
バランスを見て生けていきます。
マットで黒く重みのある、陰を連想させる花器に、
生命力を感じる艶やかで鮮やかな、陽を連想させる薔薇の色がよく映えます。
黒い服に、赤いマニキュアと口紅を添えた女性が
大人の美しさを携えているのと似ているようです。
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