(稽留流産から自然排出を経験されつつある方々へ、心の準備や気持ちの整理に参考になれば嬉しいです。)
稽留流産の診断を受けた11月20日金曜日の翌日、粘度の強い茶褐色の血液が出始めました。まるでその診断をまっていたかのようでした。
「どうか手術日まで降りてきませんように」
妊娠8週間目の胎児はまだ法的に人として認められていないとはいえ、自宅で処置をするということは、不意でトイレに流れてしまうか、あるいはごみとして処分するか、ということであり、どちらにせよ私にとって気の進まない方法でした。
降りてきませんように、と考えれば考えるほど、降りてきてしまうものだとわかっていながらも、子宮内容除去手術予定日の来週火曜日まで、まだまだ日がある。それにその前日の月曜日は、ビジネススクール最後の修士論文のプレゼン発表の日でもあり、普段なれないことをする、心身に影響を及ぼさないともいえない日でもありました。 生理痛のように若干腹部の痛みもありました。
無事に土曜日を過ぎ、日曜日。出血量は変わらず、生理が始まる前ような兆候のみ。昼食の用意をしていると、下腹部の痛みの度合いが強くなっているような・・・。朝から家事で動き回っていて休憩していなかったので、体が「休め」というサインを送ってきているようでした。
午後、明日のプレゼン準備もありますし、体を休めがてら横になって本を読む息子の隣でプレゼン書類を読んでいました。時々押し寄せる腹痛がさらに強くなってきていました。
特におかしいと気付いたのは夕方17時頃になってからでした。
陣痛が押し寄せてくる感覚に近いのです。
腹痛が押し寄せる感覚が定期的であることを自覚し、試しに時間を計ってみると、10分おきに腹痛がやってきているとわかりました。陣痛ほど強くはありませんが、生理痛よりも強い痛みです。

18時、夕食の準備に立ち上がろうとしたところ、まとまった量の出血を感じました。
「きたかも」って思いました。
トイレで確認しようとしたところ、出血が続いており、床まで流れ落ちてしまいました。
寒いトイレでずっと立っているわけにもいかないので、部屋で様子をみることに。
ところが夜用ナプキンに替えたところで、5分もしないうちにナプキンを全部染めてしまう出血量。
「先生に自然流産の場合の対処法を聞いておけばよかった」
ってこのとき思いました。
出血量の目安がないので、多いのか少ないのか、普通なのか普通じゃないのかもわからず、半ばパニックでした。
産婦人科の救急に電話をかけて対処法を求める事にだけ頭が回りました。
救急担当者:「どれくらいの出血か目安をください」
私:「今変えたナプキンが全部血で染まるくらいです」
救急担当者:「流産で大量出血は普通です」
私:「救急に行ったほうがいいですか?」
救急担当者:「必要なときに来てください」
私:「排出物は病院に持っていったほうがいいですか?」
救急担当者:「持ってくる必要はありません。」
私:「排出物を自宅で処理したくないのですが。」
救急担当者:「・・・(無言)。救急には必要なときに来てください。救急に来るなら、食事・水の摂取は控えてください。」
出血量は救急担当者の予想内のようであること、
今すぐ救急に行かなければならない必要性もないことだけは確認できました。
それにもし救急に行くとして、息子を預かってくれる家族も友人も近くにありません。息子も明日は月曜日で小学校があることだし、この時間に救急に一緒に連れて行ったらいつ家に帰ってこれるかわからない。それにまだ夕食も食べさせてない。
私、痛みには結構強いし、痛みに耐えられなくなるか、出血で倒れそうになったら来いってことだと判断し、耐えられるとこまで家で対応しようと思いました。
立っているとクラクラとめまいがして、椅子に座ると痛い。
出血が続き、30センチ近くある夜用ナプキンを10~15分毎に替えました。
ぽたぽたと一滴一滴連続して落ちる、さらさらした血液の出血が続きました。
明日の10時から予定されている修士論文のプレゼンは無理そうに思え、主人から担当教授に断わりの連絡を入れてもらいました。
今19時。この状態がいつまで続くんだろう・・・。
自分の目で胎児を見る勇気もない。
不安でした。


コメント